認知症と介護

『認知症』になるまでの四段階とは? 今の自分はどの段階?

2025年には高齢者(65歳以上)のうち5人に1人が認知症になると言われています。そして、認知症の中で最も多くを占めるアルツハイマー型認知症は、ある日突然なるものではなく、発症の20年前から脳の変化が起きており、さらに、それに伴い少しずつ症状も出ているということがわかってきています。

認知症の一歩手前は軽度認知障害(MCI)

軽度認知障害(MCI)とは、認知症の診断とはならなかったものの、物忘れをはっきり自覚でき、自分だけでなく、周りの人たちも気づいている段階です。
→ 軽度認知障害(MCI)についてはこちら

この時期に脳の活動性をしっかり高め、意識して生活を改善することで、認知症に移行するのを防いだり、場合によっては下記に示す主観的認知機能低下(SCD)の状態や、健常者の状態に近付くことも可能で、認知症になるかならないかの分岐点ともいえる段階です。

さらに手前の主観的認知機能低下(SCD)とは

主観的認知機能低下(SCD:Subjective Cognitive Decline)とは、物忘れを自覚しているものの、周りが気づくほどではない状態です。特に、アルツハイマー型認知症では、「初発症状の1つ」とされています。

・ど忘れが多い
・同じことを複数回聞くことが多くなった
・イライラすることが多い
・外出が面倒くさい
・趣味が減ったり以前ほど楽しめなくなった
・連続ドラマを視聴するのが以前より面倒になった
・眠りにくくなった
・記憶にすっかり自信がなくなった

当てはまることが幾つかある…という人も多いでし。
認知症は発症の20年以上前から始まり、徐々に症状も出ていきます。脳の機能低下を防ぎ、認知症を予防するには、意識して行動することが必要になっていきます。

できれば軽度認知障害(MCI)になる前段階である主観的認知機能低下(SCD)の段階で気付き、生活に予防対策を取り入れていきたいものです。

認知症に移行するまでの4段階まとめ

健常者
 ↓
主観的認知機能低下(SCD)…自分で「あれ?」と思うことが増えるが、それほど日常生活に支障はない
 ↓
軽度認知障害(MCI)…周りにもわかるくらい物忘れが進行。認知症になるかならないかの分岐点
 ↓
認知症 …生活全般に支障が出てくる段階