認知症と介護

「もの忘れ外来」とは もし、認知症かなと思ったら

もの忘れ外来とは、通常のもの忘れ(加齢によるもの忘れ)と、認知症によるもの忘れを見分け、また、進行具合を見極める診療科です。

早めの受診が重要。早期発見と認知症の改善に役立つ

認知症は「早期発見」が何より重要です。
なぜなら、早期発見が症状の進行を遅らせたり、症状を改善させたりに繋がるからです。

本人や家族が「もしかして、認知症?」と疑っても、なかなか受診しないケースも多いものです。
その理由は、「診断がつき、病名が確定することが怖い」、「認知症と決まるのが怖い」という心理です。

人間ドックを受けない理由が「病気が見つかることが怖い」、という人も多いですよね。
それと同じ心理です。

しかし、認知症は早期発見でその後が大きく変わります。
アルツハイマー病を始め、認知症を患う病気は、診断後の生活が長期にわたる場合が多いですから、少しでも生活の質を向上させるためにも、早期発見が極めて重要になります。

もの忘れ外来はどこにあるの?

もの忘れ外来は、主に大きな病院の中の診療科の1つです。
神経内科や精神科の医師がその役割を担うことが多いようです。

全国のもの忘れ外来の場所については、公益社団法人「認知症の人と家族の会」にまとめられていましたので、リンクしました。

⇒ 全国もの忘れ外来一覧

もの忘れ外来の診察は何をするの?

問診によるチェックのほか、MRIやCTで脳の状態を調べます。

MRIとCTについて

MRI…体内の画像を撮ることができる医療機器。臓器を輪切りにした画像を何枚も撮影して、病変を見つけることができます。
CTとの違いは、骨が映らないこと、撮影時間が30分程度と長いこと、狭い所での撮影となることなどがあげられます。

CT…MRI同様、体内の状態を画像として撮影できる医療機器。MRIと違い、骨は白く映ります。MRIと撮影方法、映るものが違うため、両方の検査を一度に受けることになるケースも多いでしょう。

問診で聞かれること

いつ頃から異変を感じたのか?
どのような部分に違和感があるのか?
生活の中でどんな不便を感じるのか?
今までにどんな病気をしたのか?
生活習慣病はあるか?
頭の怪我をしたことはあるか?

などの問診に加えて、必要に応じて記憶テストが行われます。
記憶テストの例 ⇒ 長谷川式スクリーニング検査

認知症の初期から、空間認識力が衰える場合が多いので、医師の手の形を真似するなどのチェックが行われることもあります。
例えば「手で蟹を作る」などです。

診察の中で、別の病気が疑われた場合、その病気についての検査が行われます。

もの忘れ外来に行くタイミングは?

認知症が疑われたら『もの忘れ外来』と、行く場所はわかっても、どの段階で行くかの判断はしにくいものです。

しかし、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)のうちに早期発見できれば、認知症に移行するのを防げる可能性もあります。
認知症かどうかがわかる、たった1つの質問とは

加齢によるもの忘れと、認知症によるもの忘れは違いますから、「これは加齢によるもの忘れにしてはちょっとおかしいかもしれない」と感じたとき、「去年と比べて忘れ物が多くなった、怒りっぽくなった」と感じたとき、受診を検討してみてはいかがでしょうか。
認知症のもの忘れと通常のもの忘れの違いとは