認知症と介護

認知症かどうかがわかる、たった1つの質問とは

最近、親の物忘れが多くなった気がする…。でも、認知症では?とは言いにくい。
病院で長谷川式認知症評価スケールなどの検査を受ければ診断がつきますが、その前に、認知症がどの程度疑われるかを知る方法があります。

認知症の人は、最近の記憶を忘れてしまう

認知症になっても、昔の記憶、すでに覚えていた記憶は長い間忘れずに残ります。
最初に侵されるのは、海馬を中心とした記憶システムで、これによって新しい事を覚えられなくなります。

ですから、テレビドラマを見ていても、設定が頭に入らず理解できなくなり、見なくなっていきます。
ニュースをみて、その時はそのニュースについて話せても、少し経つとすっかり忘れてしまいます。

認知症かどうかがわかる、たった1つの質問とは、
「最近のニュースって、何があったかな?」
「最近のニュースで気になっていることは何?」
など、最近の出来事を聞いてみることです。

この質問は、認知症の方はほとんど答えることができないそうです。(答えられる人もいます)
また、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人も約半分は答えられないといいます。

そして、その答え方にも特徴があります。

認知症や、軽度認知障害(MCI)を疑う答え方

「わからない」、「知らない」

答えが浮かばず、わからない答えます。

「最近TVを見ない」、「忙しくてチェックしていない」

その場を何とか取り繕って切り抜けようとする見栄を張る心理が働いた時の答えです。
実際、病院での診察でこういう答えをする患者は多いといいます。
家族に確認すると、毎日のようにテレビを見て、ニュースも見ている場合も多いようです。

古いニュースを答える

認知症の方は、古い記憶は残っていますから、昔のニュースは答えられます。
最近のニュースは記憶にないので、答えられるニュースを答えた例です。

「最近のニュース」を聞くことは、早期発見に繋がる

軽度認知障害(MCI)の人も、約半数は答えられませんから、早期発見に有効な質問です
MCIのうちに早期発見ができれば、適切な治療で認知症の発症を遅らせたり、トレーニングなどで正常範囲まで回復するケースもありますから、重要な質問であるといえるでしょう。