認知症と介護

当事者の声を知る「本人会議」

「困っていたら助けてほしいけど、いつも困ってばかりではない」
認知症の当事者の声を聞くことで、認知症をもっと理解して、認知症の人とのより良い付き合い方を知ることができるはずです。
「本人会議は」2006年、厚生労働省の研究補助金により、京都で初めて行われました。全国から集まった7名の認知症の人が当事者の声を語り合い、その結果、「当事者が伝えたい17こと」がまとめられました。

今でこそ認知症当事者の声をテレビやインターネットなどを通じて知ることができる機会もありますが、当時はまだまだ「認知症=本人は何もわからなくなる」という認識が強く、当事者の声をという空気は作られませんでした。そんな中で、まとめられた当事者の声です。

当事者が伝えたい17のこと

本人同士で話し合う場をつくりたい
1.仲間と出会って話をしたい。助け合って進みたい。
2.色々な体験を情報交換したい。
3.仲間の役に立ちたい。励ましあいたい。
認知症であることをわかってください
4.認知症のために起こっていること、どんな気持ちで暮らしているのかをわかってほしい。
5.認知症であることを早く診断して、支えてほしい。
6.いい薬の開発にお金をかけてほしい。
わたしたちのこころを聴いてください
7.私は私として生きていきたい。
8.私には私なりの楽しみがあります。
9.どんな支えが必要なのかをまずは私に聞いてほしい。
10.少しの支えでできることがたくさんあります。
11.出来ないことで、ダメだって決めつけないでほしい。
自分たちの意向を施策に反映してほしい
12.認知症の人でも当たり前に暮らせるサービスを。
13.働き続ける機会がほしい。収入を得たい。
14.大切な家族を楽にしてほしい。
家族への思い
15.私なりに家族を支えたいことをわかってほしい。
16.家族への感謝を伝えたい。
仲間たちへ
17.あまり深刻にならずに割り切って、ユーモアを持ちましょう。