健康と抗加齢(アンチエイジング)

老化ストップホルモン『グレリン』を自分で作り出す方法

老化老化ストップホルモン『グレリン』は、1999年に発見された物質です。2017年2月14日放送の『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』及び、2020年 8月19日発行の科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された研究結果を元にまとめました。

老化防止ホルモン『グレリン』とは

脳、血管、筋肉、心臓など様々な部位の老化防止ホルモン『グレリン』。グレリン(老化ストップホルモン)がしっかりと分泌されると、細胞1つ1つを回復させ、体を若返らせ、活力を与えてくれるといわれています。

疲れやすいなぁとか、年を取ったなと感じるなら、グレリンの不足が原因かもしれません。

グレリンが分泌されると、成長ホルモンの分泌が促進され、食欲も増進されます。お腹が減ったときに分泌されているホルモンですから、食欲を増進させるのは当然のような気がしますね。

成長ホルモンは10代の頃までは沢山分泌されますが、25歳を過ぎると分泌量はずいぶん少なくなります。グレリンは年を重ねても成長ホルモンを分泌させてくれるホルモンなのです。

『グレリン』は自分で作り出せる

グレリンは空腹時に分泌されます。お腹がぐー、ギュルギュル~と音が鳴ったなら、グレリンが分泌されている証拠です。
つまり、空腹である時間をなるべく作ることがグレリンを分泌させる方法ということになります。

普段間食が多いひとや、夕食から翌日の朝食までの時間が短い人は、グレリンが十分に分泌されていない可能性が高くなります。

お腹が空いたときは、体のアンチエイジングのチャンスというわけですね。

グレリンの謎を解明した研究結果

これは、2020年8月19日発行の科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載された、久留米大学分子生命研究所の児島将康教授らによる研究結果によると、『グレリン』が私たちの脳に空腹を教えてくれるのだということです。

空腹になると、私たちの胃から血液中にグレリンが分泌されます。そのグレリンが脳を刺激することで、私たちは空腹を感じることができます。空腹を感じさせるホルモンが『グレリン』 ということになります。

さらに、グレリンが分泌されている間、私たちの細胞は若返りと老化防止の効果が出ていると期待されています。

グレリンをしっかりと活かすには

お腹が空いているときに分泌されるので、お腹が空いてもすぐに食べないことが十分な分泌を促す方法です。
お腹が空いた時、「グレリンが分泌されている証拠」と考えて、少し食事を先延ばしにすると、グレリンによる若返りや老化防止が期待できます。

睡眠不足はグレリンを分泌させるが…?

睡眠不足になると、食欲を抑制するホルモンであるレプチンが減り、グレリンが過剰分泌されます。その結果、食べ過ぎを招くことになり、睡眠不足は肥満の原因となります。

ただ、グレリンが沢山出るのであれば、それはそれでいいこともある?と考えてしまいますよね。
たしかに、グレリンは体を若返らせる成長ホルモンです。
しかし、睡眠不足はマイナス要因が多く、グレリンが分泌させるからといって決してプラスにはなりません。

スタンフォード大学の研究でも、人の睡眠時間は7~8時間が最適で、それより少なくても多くても死亡率が上がることが指摘されています。
こう考えると、睡眠不足によるグレリンの分泌は、成長ホルモンの効果より、食欲が過剰に出てしまうというマイナス要因のほうがはるかに高くなってしまうのです。

グレリンを分泌させるには、「夕食を早めに済ませる」ことで、空腹時間を増やすことが最も実行しやすく、かつ有効な方法でしょう。