認知症予防と若脳

認知症リスクは45%減らせる!14の危険因子とは?

医学界で強い影響力をもつ雑誌「ランセット」で、修正可能な認知症の危険因子が発表されました。危険因子の数は14。これらを意識して予防していくことで、認知症になるリスクを45%減らせるといいます。

同雑誌は、2020年にも修正可能な認知症の危険因子を発表していましたが、その時の危険因子の数は12。今回は、新しいエビデンスによって2個追加され、14個となりました。

14個の認知症の危険因子とは?

1:教育水準の低さ
2:外傷性脳損傷
3:運動不足
4:喫煙
5:過度の飲酒(純アルコール168g/週超に相当)
6:高血圧
7:肥満
8:糖尿病
9:聴覚障害
10:抑うつ
11:社会的孤立
12:大気汚染
13:視力低下
14:高LDLコレステロール

13の視力低下と、14の高LDLコレステロールが今回追加された2つの危険因子です。視力低下は、9の聴覚障害と共に、外からの情報を得る器官の機能低下です。外からの情報による脳への刺激が減ることで、認知症のリスクが上がってしまうのだと考えられます。

14の高LDLコレステロールとは、いわゆる悪玉コレステロールのことで、動脈硬化につながることから、認知症の危険因子として数えられたのだと思います。

自分で意識することで防げるものも多いですね。また、この危険因子を防ぐことは、生活習慣病の予防にも役立ちます。
できるだけこの14の危険因子を排除していくことで、健康寿命を延ばしていきたいものです。

14個の危険因子を小さくするには

1:教育水準の低さ

義務教育があることから、ある程度、この危険因子は回避しやすい環境にあると考えられます。さらに、生涯学ぶことを意識して頭を使い続けることで、さらに認知症の危険を小さくすることができるでしょう。

2:外傷性脳損傷

頭を守ることが重要です。自転車に乗る時はヘルメットを着用し、普段から頭をぶつけないように意識することなど、できることをやっていくしかなさそうです。

外傷性脳損傷は、認知症に限らず避けたいものですから、特に認知症の危険因子として意識する必要はないかもしれません。

3:運動不足

様々な生活習慣病にも出てくる運動は、認知症予防にも効果的です。運動不足になると、常に血液が滞りますから、脳にも悪影響です。

ウォーキングなどのリズム運動は脳にとっては気持ちのよいものです。脳に心地よい刺激を与えることは認知症予防にとても効果的です。

4:禁煙

タバコは認知症以外にも、様々な病気の原因になってしまいます。なるべくは禁煙したほうが健康寿命は延びそうです。

5:過度の飲酒(純アルコール168g/週超に相当)

禁煙同様、過度なアルコールは脳に限らず体の随所に悪影響を与えます。適度であれば問題ないので、ほどほどに楽しむのがよさそうです。

6:高血圧

高血圧は自覚症状が出にくい疾患です。ですから、気づかないうちに血管を痛めつけてしまいます。血管は体中に張り巡らされていますから、動脈硬化を進めてしまう高血圧はとても厄介です。
血管にプラークができて、そこから血栓が飛び、脳に詰まることで脳梗塞を引き起こし、その結果として脳血管性認知症になることもあります。

血圧計を購入すれば、自分で簡単に計ることができますので、定期的にチェックしてみると高血圧を見逃さずにすみます。
また、多くの病院には血圧を測る装置が置かれているので、家族の付き添いに行ったときなどに計ってみるのもいいかもしれません。

7:肥満

肥満は様々な病気の原因となる状態です。
反対に痩せすぎも骨粗しょう症などの危険因子となりますから、ほどほどの体重をキープするのが最も安全です。

BMIを調べられるサイトなどを利用して、自分の肥満度をチェックしてみましょう。

肥満は遺伝子によるところもありますから、なかなか難しい面もありますが、できる範囲で適正体重を維持していくことで、認知症を始め、様々な病気のリスクを下げることができるでしょう。

8:糖尿病

糖尿病は悪化すると神経障害や、腎機能の悪化、視力低下、心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気、足などの壊死などがおこるそれ単体でも怖い病気です。
そして、認知症の危険因子にもなってしまいます。
糖尿病の人は、そうではない人と比べて認知症を発症する確率が約2倍であるとも言われています。

糖尿病も、7の肥満と同様、遺伝による影響も多いですから、頑張っても罹患してしまうかもしれません。
しかし、防げる状態であれば、積極的に防ぎたいところです。
過食や運動不足を避け、規則正しい生活をすることが糖尿病の予防につながります。

9:聴覚障害

耳の聞こえが悪くなる聴覚障害は、予防が難しい疾患の1つです。
原因がはっきりしないことが多く、一度聴力が悪化してしまうと取り戻すことは難しいケースが多いです。

突如聞こえが悪くなる突発性難聴は、治療開始までのスピードが何より重要ですから、耳の聞こえがおかしいと思ったら、すぐに耳鼻科に駆け込みましょう。
突発性難聴の特徴は、主に片耳に症状がおき、いつ症状が始まったのかを答えられるケースが多く、はっきりと聞こえが悪くなる場合が多いということです。

その他にも、低音だけが障害される低音性難聴もあります。この場合、普段の生活にはあまり影響がないことから、発見が遅れてしまいがちです。周囲の人は聞こえている音に自分だけ気づけないことがあるとか、耳鳴りに悩んでいるということがあれば、疑ってみてください。

10:抑うつ

研究により、抑うつを持つ人は、そうではない人に比べて認知症が発症しやすいという証明がされています。うつ状態の脳は、脳の働きが弱まっていることで、認知機能の低下が起こりやすく、記憶力も低下してしまいます。この状態が続くと、脳の萎縮によって認知症を引き起こすこともあるそうです。
また、、抑うつは認知症の症状として現れることも多いため、正確な診断が求められます。

抑うつは回復に時間がかかる場合が多いですから、できる限り脳への負担が減るような、無理をしない付き合い方をしていくことが大切でしょう。焦らずにストレスをなるべく減らす行動をとることが認知症予防につながるのではと考えられます。

11:社会的孤立

社会的孤立は会話の減少などから、脳を使う機会がぐっと減ってしまいます。脳への刺激が減り、マンネリな日常を招きやすいことから、認知症を引き起こす原因となります。

孤立した生活に安らぎを感じるとしても、脳にとっては退屈で、脳は不要な機能を縮小させて(細胞を死滅させて)しまいます。
なるべく人とのつながりを持てるように行動を起こすことで、認知症予防につながります。例えば、習い事や旅行、地域活動への参加などは始めやすいでしょう。自分に合った社会とのかかわり方を見つけられれば、新しいいきがいの発見にもつながるかもしれません。

12:大気汚染

こちらはなかなか自分で防ぐことの難しい問題です。空気清浄機の設置や、適切な換気などでできるだけ防いでいくしかなさそうです。

13:視力低下

デジタル機器の発達に伴い、視力低下は止められない社会問題になっています。
それが無くても、白内障はすべての人が罹患する目の病と言われていて、手術をしない限りは視力低下は避けられません。

適切に眼鏡やコンタクトレンズで視界を補強することで、目から得られる情報の量を減らさないことが、認知症予防としてできることでしょう。

14:高LDLコレステロール

高LDLコレステロールの状態が長く続くと、血管にコレステロールが蓄積してプラークを形成し、動脈硬化が進んでしまいます。
高LDLコレステロールは、自覚症状がないため、知らず知らずのうちに動脈硬化が進んでしまうことも少なくありません。
動脈硬化がひどくなると、血流がうまく全身に行きわたらなくなり、様々な病気の原因となってしまいます。認知症もその1つです。

高LDLコレステロールを避けるためには、LDLコレステロールを増やしてしまう食べ物をなるべく避けたり、LDLコレステロールを減らしてくれる食べ物を摂取することが大切です。

減らしたい食べ物
肉、スナック菓子、インスタントラーメン、マーガリン、卵など

増やしたい食べ物
青魚、オメガ3の油(えごま油・アマニ油など)、海藻、きのこなど

肉や卵には重要な栄養素も多く含まれますから、バランスを調整して食べるとよさそうです。