2021年10月21日20時30分~20時45分に、Eテレで放送されたきょうの健康~あの人の健康法 「認知症になってもオレはオレ」~の視聴記録です。74歳の誕生日の日が収録日だったようで、花束を受け取っての収録スタートとなりました。
2020年に認知症であることを公表
去年(2020年)に認知症であることを公表した蛭子能収さん。アルツハイマー型認知症と、レビー小体型認知症の併発でした。
本人は病気に気づいたきっかけも特になく、病院で見つかったと話していました。
ご自身は特に不自由と思うこともなく、自分では今の所病気であるということはわからないそうです。
病名は本人もわかっており、理解はしていますが、実感がないというもののようです。
7年前に軽度認知障害(MCI)と診断
蛭子さんの認知症は、診断まで前兆がなかったわけではなく、7年前には軽度認知障害と診断されていました。
この診断があったとき、蛭子さんは、「ちょっとショック。ちょっとかなしくなった。なんとなく面白くない」という感覚をもち、気持ちが暗くなりました。それでも、「あまり考えないようにした」と、軽度認知障害であるということを意識しないようにすることで、立ち直っていったそうです。
1年前の2020年に認知症と診断される頃には、蛇口をどちらにひねったらいいのかわからなくなったり、洗濯物が倒れている妻に見えて慌てたりと、蛭子さん本人の口から症状が語られますが、本人としては不自由はあまり感じていないといいます。もの忘れも自分ではよくわからないと、もの忘れをしているという感覚はあまりなさそうです。
そもそも若いころから人の名前を覚えようとしなかったという性格もあって、現在のもの忘れが今始まったことなのか、昔からのものなのか区別がつかないといったところもありそうです。
認知症と診断されて1年。現在の心境とは
アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の併発と診断されて1年がたち、現在では心は落ち着いていると話します。
今では前を向いている。マンガも書けるし、現在はガッカリはしていない。
認知症であることは何も考えない。認知症になっても自分は自分。
認知症であることはマイナスとは思わない。
それが蛭子さんの現在の心境です。
認知症となった今、大切にしていることは
大切にしていることは?と聞かれた蛭子さんは、迷わず「仕事」と答えました。
現在、週2本の漫画の連載を抱え、時々テレビにも出演。以前よりゆっくりのペースではありますが、積極的に仕事を続けています。17年の付き合いとなるマネージャーの男性も、仕事ができる限り支えていきたいと蛭子さんの思いに理解を示していました。
蛭子さんはずっと仕事は続けていきたいと話します。それに対し、番組司会者が「仕事が好きだからですか?」と聞くと、それには首を縦には振りません。「いやー、だってね、ただでお金をくれるんならね」と、蛭子さんらしい回答。
「今のところ漫画もちゃんと書けている。ギャンブルは一切やめた。そんなことしている場合じゃない」と、ギャンブルをやめたことを告白。
もしかしたら認知症の症状によって、ギャンブルへの興味が無くなったのかもしれませんが、認知症であるという現実を受け止め、生き方を考えた結果、今の答えに行きついたのかもしれません。
蛭子能収さんが今後について考えていること
今後については、「仕事はきちんとする。仕事がきちんとできていればいい。仕事ができているうちは病気のことはかんがえないようにする」と話し、「外に出るのは嫌ではない?」という質問には、「誰と会っても笑っているようにする」と特に嫌とは思っていない様子。
認知症の方は、自分が失敗すること、それによってバカにされることが嫌で、外に出たがらない、人と話したがらない傾向があることから、司会者が、失敗してしまうことが嫌で、ということはないのかを聞くと、こんなふうに答えました。
「人は失敗をするものだから。失敗しても、テヘヘと笑う。だれでも失敗はする。なるべく明るい方に持っていく」
さらに、
「とにかく命があればいい。とにかく生きていること」と、生きている『今』を大切にしていることが伺えました。
奥さんとの普段の生活を聞くと
普段はどんなことをしているのかと聞かれたとき、蛭子さんは「仕事がないときはただ寝ている。あと、部屋の片づけをしたり」と答えました。司会の方が「散歩はしますか」と散歩のことを聞くと、「やっぱり散歩はすごくいい。たのしい」と話しました。
全体的に健常者と全く変わらない受け答えの蛭子さんでしたが、「普段の生活」に関するこの質問の答えについては、思い出せないのかなと感じました。
14年前に結婚したという奥さんについては、感謝が大きいそうで、一緒にいる時がいい、楽しい、落ち着く、ほっとするずっと一緒がいいと話していました。
最後に色紙に言いたいことを、と言われて書いた文字も、「奥さんありがとう」でした。
『認知症になってもオレはオレ』を視聴して
アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の併発ということで、もっと会話にずれが生じるのかと思い視聴しましたが、会話のキャッチボールは全て健常者のようにスムーズでした。
そうなるように編集したのかもしれませんが、見ている限りでは普通に会話が出来ているように感じられました。長めの質問をされても、的確に答えていましたし、認知症の進行は抑えられている印象でした。
まだまだテレビでも活躍できるのではと思ったくらいです。
関連リンク
⇒ アルツハイマー型認知症ほか、認知症の種類
⇒ レビー小体型認知症