寝たきりの直接原因認知症は2位
日本の65歳以上の要介護者の直接原因は何でしょうか。
厚生労働省の平成22年度の調査結果からご紹介します。
認知症は第2位
介護が必要となった主な原因を要介護度別にみると、要支援者では「関節疾患」が19.4%で最も多く、次いで「高齢による衰弱」が15.2%となっている。要介護者では「脳血管疾患(脳卒中)」が24.1%で最も多く、次いで「認知症」が20.5%となっている。(厚生労働省資料「平成22年国民生活基礎調査の概況」より抜粋)
要支援だけで見ると、認知症は第6位くらいですが、要介護となると跳ね上がり、脳血管疾患の次につけます。
要介護のレベル別にみても、要介護1では脳血管疾患より多く、要介護2~5までは脳血管疾患に続く2位となっています。
つまり、寝たきりの理由でも2位とという結果となりました。その数は高齢による衰弱よりはるかに多いのです。高齢になると認知症になる確率も格段に上がっていくので、当然の結果なのかもしれません。
それだけ、認知症は家族や本人にかかる負担が大きい病ということです。
要介護認定を受けた人の中で自立人は35%
東京都調布市の資料にある「要介護認定者の認知症自立度と要介護度」という表には、4683人の要介護度と認知症者の割合がまとめられています。(要支援者を含めると5593人)この数字は、平成16年10月の情報を分析の対象としたものです。
この表を元に当サイト管理者が計算した結果によると、要介護認定を受けた人の中で、認知症が認められない自立人は28%です。つまり、要介護認定を受けた人の72%は軽度でも認知症の傾向がみられる、ということになります。さらに、要介護度別に認知症が認められない人の割合を計算すると、下記の結果になりました。
要介護1 自立 49.0%
要介護2 自立 22.8%
要介護3 自立 16.1%
要介護4 自立 7.4%
要介護5 自立 3.5%
介護度が進むにつれ急激に減っていくことがわかります。介護度が進むと、活動の範囲も狭くなりますから、おのずと認知症の危険度も高まるでしょう。
この数字を意識するだけでも状態は違ってくると思います。
積極的に要介護者に話しかけたり、できる活動を用意するなど、要介護者だけでなく、介護する側が意識できることはまだまだあるでしょう。
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