テレビゲームで脳の衰えを回復 アメリカの実験にて
テレビゲームが脳トレーニングになることは認知されつつありますが、今回、アメリカの実験でさらに具体的に事実が証明されました。
テレビゲームで、「記憶力や論理的思考、視覚処理といった脳の機能の衰退を防いだり、回復させたりすることが可能」。実験はゲーム好きには嬉しい結果となりました。
米オンライン科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」で発表された「米アイオワ大学(University of Iowa)の公衆衛生の専門家、フレドリック・ウォリンスキー(Fredric Wolinsky)教授の研究チーム」の実験記事をもとにまとめたものです。
加齢とともに衰える「実行機能」
実行機能とは、物事を記憶したり、注意力を持って行動したり、問題を解決する時に必要となる能力の一つです。認知能力にも深く関係します。
実行機能は加齢で衰えが始まると確実に進行します。ウォリンスキー教授は、「良い知らせは、対処法があること」と、今回の実験の結果に期待を寄せています。
実験で使われたゲームとは
ロード・ツアーというゲームで、「わずかな間だけ表示される車や道路標識の種類を覚えて、次に出題されるクイズに答え、正解率で次のステージに進むゲーム」です。
注意力、集中力を必要とするゲームで、実行機能の衰えを防ぐことに適しているようです。
どのような能力が向上したか
高齢者が車の事故を起こす大きな理由が「視野狭窄」にあり、周囲が見えなくなってしまうことが原因といいます。
ゲームによって脳の処理能力が早くなることで、新しく目に入る情報を的確に処理する能力などが向上するなど、認知能力は平均で約3~4歳若返ったといいます。
たかが3~4歳と感じるかもしれませんが、ゲームは10~14時間程度で、測定は最初の実験日から約1年後であったことを考えると、大きな成果と言えると思います。
ゲームを効果的に使うには
ゲームは脳に良い、毎日長時間同じようなゲームをするのは良いとは言えません。視力低下や、運動能力の低下など、悪い影響が出てくる恐れもあります。
一番良いのはやりすぎず、自分にとって気持ちがいい程度の時間を使って楽しむということです。楽しむ、というのはポイントです。
また、種類はなるべく多様にチャレンジしたり、新鮮な刺激を求めるほうが効果は上がります。ゲームセンターにも、高齢者をターゲットとしたものや、脳とともに体を適度に動かせるゲームが置かれていますから、それらを利用するのも良いでしょう。
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