脳のいろは

ワーキングメモリ(作業記憶)とは

人の脳にはワーキングメモリと呼ばれる領域があります。情報を一時的に保ちながら操作するための領域で、暗算や会話、思考能力等に影響します。
瞬時に一時記憶して、それを活用しながら行動しているとき、このワーキングメモリがフル活動しているということです。
ワーキングメモリは頭の良さを決めるとも言われ、人の活動の幅広い分野に深くかかわる領域です。

ワーキングメモリを使う生活の場面

例えば、おつりの計算や、暗算等、紙で計算するのではなく、数を頭の中に描きながら計算しなくてはならないとき、この作業がワーキングメモリで行われています。

人と会話をするときもそうです。会話の内容を踏まえ、理解しながら次の言葉を発する、という動作はワーキングメモリの活動なくしては成り立ちません。

創造性のある思考をするときにもワーキングメモリが使われます。ワーキングメモリ領域が広い人は、普通より創造の幅が広いことが分かっています。人は新しい物事や計画を作るとき、経験の中から思考がスタートします。ワーキングメモリが狭い人はその経験の中から思考が抜け出せず、ワーキングメモリが広いひとはもっと広い発想で思考を繰り広げていくことができるのです。

ワーキングメモリは心のメモ

ワーキングメモリは、生活の中の「メモを取るまででもないこと」を頭の中に一時置いておくことが出来る機能です。
例えば、買い物をしている時、あれが必要、これが必要と考えます。これもワーキングメモリの活動です。この時、話しかけられると、「あれ、何が必要なんだっけ?」と忘れてしまうことがあります。ワーキングメモリは領域が限られているので、一度にたくさんのことは出来ないのです。

ワーキングメモリの劣化は物忘れの始まり

ワーキングメモリは前頭前野にあり、思考における重要な役割を果たしています。このワーキングメモリが劣化すると、「あれ、何をしようとしていたんだっけ」、会話時も「あれ、会話が理解できない…」と、いろいろなことに支障をきたしてきます。
こうならないように、ワーキングメモリを鍛えておきましょう。

ワーキングメモリの鍛え方