コロナ禍で、認知症の症状が悪化するケースが非常に多いといいます。
新型コロナウィルスの感染を予防するために必要な外出自粛やソーシャルディスタンスは、認知症の悪化予防の観点からみるとよいものではありません。
コロナ禍で認知症の症状が悪化する理由1:運動不足
コロナによって外出自粛が続き、2022年現在も人込みを避けることが感染予防には効果的であるということで、外出を避ける人も多くいます。
特に認知症を患う人は高齢の方が多いため、感染リスクは高く、危険を冒してまで外出するのもためらわれるかもしれません。
しかし、外出が減ると、必然的に運動量が減ります。運動不足は筋力の低下につながり、外出がさらに遠のいてしまいます。さらに、運動不足は肥満にもつながり、肥満は認知症の危険因子とわかっています。
コロナ禍で認知症の症状が悪化する理由2:新鮮な体験の減少
コロナ禍では、人と会うことがリスクです。
人と会えば会話が生まれ、笑顔にもなります。会話や笑うことは認知症の症状の悪化を遅らせますし、軽度認知症や認知症が心配な人にとっては予防に効果的です。
また、外出自粛も新鮮な体験を減らします。
外出は新鮮な脳への刺激を得られる絶好の機会です。
自然に触れたり、歩くなど体を動かしたり、人と会ったり、家ではできない体験をしたり、生活のマンネリ化を避けたりと、外出すると様々な経験ができます。
認知症の危険因子に、「会話が減る」「好奇心がなくなる」などがあります。また、「日々が単調になる」のも脳への刺激が低下して認知症の悪化を招きやすくなります。
コロナ禍で認知症の症状が悪化する理由3:ストレスの増加
コロナ禍でストレスを感じた人は多いでしょう。
自由に外出できなかったり、人と会えなかったり、病院に行くにも神経を使ったりと、ストレスが溜まります。
日々ニュースで流れるコロナウィルスの情報など、コロナ禍であること自体も息が詰まる思いがしますね。
ストレスは万病のもとといわれるように、認知症にも悪い影響を与えます。
多少のストレスは脳にプラスの影響を与えますが、過度のストレスは脳や体を蝕みますから、息抜きやリラックスがいつも以上に重要な役割を持ちます。