認知症予防と若脳

認知症になりやすい7つの性格とは

認知症には、なりやすい性格となりにくい性格があります。性格はなかなか変えられるものではありませんから、リスクを知って、できることがあればやってみる、という情報になればと思い、このページにまとめました。

性格が認知症のリスクを左右する

人は脳内ホルモンの分泌によって感情が左右します。偏桃体という感情を司る領域の大きさは感情の起伏の大きさに関わります。注意力に関わる前頭葉によって気が散りやすいという性格が生まれます。
このように、性格は脳内ホルモンや領域の大きさなどによって変化します。
性格は脳と深い関りがあり、認知症のリスクとも関連が認められています。

認知症になりやすい性格その1:気にしやすい・自意識が高い

小さなことをいちいち気にしたり、いつまでも気に留めてしまったり、自分がした小さなことで相手の反応が気になるような性格の人は、ストレスをため込みやすく、上手く切り替えができません。
ストレスは脳にダメージを与え、脳細胞を殺してしまいます。

認知症になりやすい性格その2:不安が多い・後ろ向きな思考

セロトニンは幸せホルモンと呼ばれ、幸せを感じる時に分泌されています。
不安を感じやすい人は、脳内のセロトニンが日頃から足りていないと考えられます。脳内のセロトニンの量は、セロトニントランスポーター遺伝子により、生まれつき少ない人もいれば多い人もいるそうです。つまり、不安を感じやすい人は遺伝子のせい…ということになります。日本人は欧米人に比べて不安を感じやすいタイプの人が多く、不安を感じる民族といえます。
不安を感じている時間が長期化すると脳が委縮するといわれ、認知症のリスクを上げてしまいます。

認知症になりやすい性格その3:怒りっぽい・短気

怒りっぽい人や短気な人は、人との付き合いが少なくなりやすく、孤立しやすいでしょう。孤立は脳を衰えさせるリスク1つです。
また、ストレスが溜まりやすい性格といえますから、それにより脳に悪影響を与えてしまいます。

認知症になりやすい性格その4:自立心が高い・一人暮らし

何でも自分でできてしまう人は、脳がしっかりしていて認知症とは無縁とも思えます。しかし、1人暮らしの人はそうでない人と比べて認知症になりやすいことがわかっています。それだけ、他人とのふれあい、会話、気づかいが脳に与える刺激は重要ということになるでしょう。
1人は気楽ですが、「気楽」な分、脳はラクをしていますから、認知症のリスクは上がってしまうのです。

また、1人暮らしの場合、認知症を初期段階で気付く同居人がいないため、早期発見ができず、症状が進行してしまうという危険性もあります。

認知症になりやすい性格その5:否定しがちな人・ネガティブな人

脳は楽しいことが大好きで、ストレスにめっぽう弱いという性質を持っています。
否定しがちであったり、ネガティブな思考の人は、そうでない人と比較して、「楽しい」という感情を持つ機会が少なく、逆にストレスを感じる場面が増えてしまいます。

また、脳は騙されやすい性質があり、他人への悪口を自分に言われたかのように感じ取り、勝手にストレスを受けることも多く、注意が必要です。逆に、他人へのポジティブワードも自分の脳に跳ね返ってきます。
マイナスな口癖が多いなら一度改めることを考えてもいいのかもしれません。

認知症になりやすい性格その6:頑固な人

高齢になると頑固になる人が増える印象がありますよね。人は失敗経験のほうが記憶に残りやすく、そのため安易に信じられなくなったり、慎重になったりします。失敗を記憶することは、生きていく上で危険を回避するために重要な能力です。
ただ、あまり頑固なままだと、他人とのコミュニケーションにも支障が出て、他人との付き合いという脳活性化の機会を奪ってしまいます。融通の利かない性格はストレスも溜まりやすく、常に脳を自分で攻撃してしまう結果になり、脳を委縮させる危険性があります。

認知症になりやすい性格その7:無気力・無関心な人

脳は新しいことをするときに大きく活性化し、脳細胞同士の結びつきを強固にして成長しています。新しい事を避けたり、無趣味だったり、好奇心が薄かったりと、無気力無関心な性格の人は、脳の成長のチャンスがそうでない人より少なくなります。

脳は使えば使うほど成長しますから、その機会が少ないと、相対的に認知症のリスクが高くなるといえます。

性格と認知症リスクの研究

性格と認知症の関連を調べた研究があったので、こちらに書いておきます。

1990年の柄澤昭秀博士の研究では、新しい性格評価表を用いて性格を8パターンに分類。それぞれについて認知症のなりやすさを調べました。研究では、認知症の患者165名と同年代の健康な高齢者376名について、それぞれの家族に性格(40代、50代頃の性格)を聞きました。

その結果、有意に認知症になりにくいとされたのが、『同調型』と『執着型』でした。逆に、有意に認知症になりやすい性格と判断されたのが、『内閉型』、『感情型』、『無力型』、『粘着型』です。

〇 同調型…明るい/行動的/開放的/積極的/社交的

〇 執着型…堅い/強い責任感/強い正義感/頑張り屋/義理堅い

〇 内閉型…愛想がない/閉鎖的/無口/社交性がない/人に溶け込めない

〇 感情型…感情的/かんしゃくもち/短期/わがまま/気性が激しい

〇 無力型…劣等感をもちやすい/臆病/くよくよする/消極的/自意識過剰

〇 強迫型…完璧主義/整頓好き/潔癖/礼儀正しい/確認癖

〇 粘着型…がんこ/話が回りくどい/無遠慮/気難しい/融通がきかない

〇 意思薄弱型…意思が弱い/あきっぽい/優柔不断/ずぼら/反応が鈍い