健康と抗加齢(アンチエイジング)

認知症の危険因子『糖尿病』とは

認知症の危険因子として知られる『糖尿病』と、その合併症についてです。

糖尿病とは

糖尿病とは血糖値が上がった状態が続く病気です。血中に増えすぎた糖を消化できず、血管を傷つけてしまい、さまざまな合併症が引き起こされます。糖尿病は血管の病気ともいえます。

その原因はインスリンの不足です。テレビでインスリンを自分で注射している人を見る事がありますよね。糖尿病は治る病気ではないので、こうやってインスリンの量を調節しながら症状を安定させて、合併症を防ぐのです。

膵臓のインスリンを分泌する細胞に影響する病気が原因の一型糖尿病と、生活習慣病に関係する二型糖尿病とがあり、この2つは原因が異なるため、治療法も異なります。
ここでは、主に二型糖尿病について記載しています。

ステロイドの服用など、薬剤性の糖尿病もあります。この場合は、薬の服用をやめることが出来れば、回復します。

ごはんに含まれる大量の糖

私たちは普段の食事から、たくさんの糖を摂取しています。
甘い物はもちろん、ごはん、ぱん、じゃがいも、うどん、そば、パスタ、ラーメン…炭水化物にも糖がたっぷり含まれています。
たとえば、お茶碗にご飯1杯で角砂糖15個くらい。これは、甘いジュース500ml(ペットボトル1本分)とだいたい同じくらいです。
1回の食事にご飯2杯食べるとか、お茶碗が大きいという方は、食事の度に500mlのジュースを2本飲むのと同じだけの糖分を摂取しているということになります。

おいしいものは糖分だらけじゃない。…というか、主食系は全部糖分。

食の欧米化で、糖尿病患者が増えているんだって。日本人はもともとインスリンの分泌量が少ないから、食の欧米化についていけず、糖尿病になってしまうのだとか。

そもそも健康なまま太るポテンシャルがない人が多いってことなのね。

糖は小腸から吸収され血中に

食事から体内に入ってきた糖は、小腸から血管に取り込まれます。食後すぐに血糖値が上がらないのは、消化吸収までの時間がかかるからです。そして、小腸に入り込んだ糖をエネルギーに変えてくれるのが『インスリン』です。インスリンが唯一の血糖値を下げる力をもつホルモンです。

インスリンの働きが弱くなると、血糖値を下げることが出来なくなり、血管の中は糖だらけになってしまいます。

糖尿病はインスリンの不足や機能低下で起こる

糖尿病を引き起こす原因は次の2つです。1つは、血糖値を下げてくれるホルモンであるインスリンの量が足りなくなること、もう1つは、インスリンの効きが悪くなること。内臓脂肪がインスリンが働きにくくなる物質を作り出し、インスリンの効きが悪くなってしまいます。

糖尿病と合併症

糖尿病は血中に糖が溢れかえり、そこから活性酸素が生まれて暴れることで体中の血管を傷つけます。その影響は毛細血管などの細い血管からでやすく、手足のしびれといった症状として自覚されます。

糖尿病の症状はかなり症状が進行してからでないと出てきません。それまでは無症状ってところが怖い病気です。

糖尿病と診断されて、薬を飲むようになっても、体は何ともないから油断して薬を止めてしまったり、食事制限を止めてしまったりという人が多いんだって。中には通院自体をやめてしまう人もいます。

糖尿病の症状はかなり症状が進行してからでないと出てきません。血糖値の高い状態が徐々に血管を傷つけ、細い血管から障害が起きていきます。
足の神経障害が起き、ひどくなると壊死してしまい、足の切断が必要になることもあります。
目の神経が傷つけば、失明してしまうこともあります。
また、血中の糖を体外に出そうと体が頑張るため、尿や汗が増え、その分喉が渇くという症状が出ます。

中高年の失明の原因の1位は緑内障で、2位が糖尿病です。緑内障も、糖尿病も、早期発見が出来れば薬によって症状の進行を遅らせ、失明を防ぐことが可能になってきています。

糖尿病を患う人は日本に何人くらいいる?

国立国際医療研究センターのサイトに2019年10月に掲載されたデータによると、日本では糖尿病患者の増加が問題となり、国は糖尿病を重要疾患の1つに位置づけ、対策を行なっているそうです。

糖尿病患者と、糖尿病予備軍の人を合わせると、約2000万人と推計されています。日本人の全人口の約6分の1を占めます。生活習慣病が出て来る年齢を考え、40代以上で考えると実に4人に1人が糖尿病又は予備軍の計算になります。男性のほうが女性よりも多く、年齢が上がるごとに有病率が増えます。

糖尿病はなかなか症状が出てこないので、健康診断などで発見されることも多い病気です。疑われる症状があるなら、一度検査を受けてみるのもいいかもしれません。

糖尿病の初期症状

症状が出るころにはすでに進行している場合が多い病気ですが、初期症状や最初に気づく症状には下記のようなものがあります。

糖尿病の症状1:尿の量と回数が増える

糖を尿として排出するために腎臓が沢山の尿を作ります。放っておくと腎臓の機能が悪化していき、場合によっては透析が必要になる場合もあります。

糖尿病の症状2:喉や舌が渇く

尿の量と回数が増えるため、その分からだから水分が失われます。汗もかきやすくなり、さらに水分が減ってしまいます。
そのため、喉や舌が異常に乾いてしまいます。

糖尿病の症状3:空腹感が強くなる

初期の頃は、高い血糖値を下げようとしてインスリンが大量に作られ、食欲が増進します。インスリンが増えたことで血糖値が急激に低下し、食後に眠くなることもあります。

糖尿病の症状4:急激に痩せる

インスリンの分泌量が減ったり、効き目が悪くなると、糖をエネルギーとして使う機能が低下するために、脂肪や筋肉のたんぱく質をエネルギーとして使うため、痩せていきます。1ヶ月で10キロも痩せてしまう場合もあるといいます。

糖尿病の症状5:疲れやすい

上記の「脂肪と筋肉のたんぱく質をエネルギーとして使う」ために筋力が減ってしまい、疲れやすくなります。

糖尿病の症状6:皮膚の状態が悪くなる(かゆくなるなど)

免疫機能の低下により肌が細菌に感染しやすく、繁殖しやすくなり、痒みを感じます。血管の状態が悪くなったことで、皮膚に必要な栄養が行きわたらないことで、皮膚の状態が悪化することも原因です。

糖尿病の症状7:手足の感覚が低下する

血糖値が高い状態が続いたことで、血管が傷つき、手足の感覚が低下します。

糖尿病の症状8:目がかすむ

血糖値が高いことで、目の神経が傷つき、視界に影響がでます。

糖尿病の症状9:感染症にかかりやすい

血糖値が高い状態が続くと、白血球の働きが悪くなるため、感染症にかかりやすくなります。

糖尿病の症状10:傷が化膿しやすくなる

血管の状態が悪くなることで、血流量が減り、傷を治すための栄養が行きわたらなくなります。また、白血球の働きが悪くなることで、治る力も弱くなります。

気になる症状や思い当たることがあれば、病院で検査を受けてください。

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