認知症と介護

認知症の中核症状とBPSDとは ~知っておきたい認知症の基本~

認知症を発症すると、もの忘れをするというのが最も代表的な症状です。これは中核症状の1つです。それ以外にBPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)という症状があり、この2つが認知症の主な症状です。

認知症の中核症状とは

認知症は脳の細胞が壊れ、それらの脳細胞が担っていたことができなくなることで症状が現れます。
たとえば、記憶を担当していた脳細胞が死んでしまうと、上手く記憶ができなくなったり、思い出せなくなったりします。計画を立てるために必要な脳細胞が死んでしまうと、どれをやってから何をすれば料理ができるのか?など、段取りがわからなくなります。
このように、脳細胞が死んでしまう(壊れてしまう)ことが原因で現れる症状を『中核症状』と言います。

【主な中核症状】
・記憶障害(覚えられない/思い出せない)
・言葉が出てこない
・見当識障害(時間や季節がわからない/自分がどこにいるのかわからない)
・理解力の低下
・判断力の低下
・計画を立てられない
・服を着る手順など、どうすればこの状態になるのか?が考えられない

認知症のBPSD(行動・心理症状)とは

もし、自分が認知症になったとして、上記の中核症状が現れたらどう感じるでしょうか。きっと不安で、イライラして、申し訳なくなって、ひどく落ち込むのではないでしょうか。
それらの不安や苛立ち、落ち込みによって起こる症状がBPSD(行動・心理症状)です。

つまり、BPSDとは、中核症状が引き金となっておこるもので、中核症状が起こらない限りは現れることはありません。

【主なBPSD(行動・心理症状)】

・興奮
・うつ
・やる気意欲の低下
・暴力や暴言
・不眠などの睡眠障害
・怒りっぽくなる
・ひどい落ち込み

BPSDに対する理解が症状を穏やかにする

BPSD(行動・心理症状)は、不安やイライラ、自分が役に立たないという絶望感などから現れる症状ですから、もし、周りの理解があり、不安が抑えられ、できることは頼られるなど、心理的に満たされているなら、おこりにくくなる症状といえます。

反対に、認知症の方への理解がたりないために、不安にさせてしまったり、全て手助けすることで生きがいを失わせてしまったり、介護者が怒鳴ってしまったりすると、症状が強くなってしまいます。

BPSDの強さは介護の難易度を直接作用する要素です。なるべく本人が穏やかに過ごせるように理解を深め対策をしていくことが求められます。

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