レビー小体型認知症で寝たきりの女性(早田美智子さん)が、2年後にハワイ旅行に行けるまでに回復したという実例があります。たけしのみんなの家庭の医学(2016/08/16放送)で取り上げられていました。
レビー小体型認知症で寝たきりに
レビー小体型認知症とは、異常なたんぱく質が脳の大脳皮質にある神経細胞内に出現し、溜まっていってしまう病気で、原因はわかっていません。
治療法もなく、対処療法が中心となります。
70歳でレビー小体型認知症と診断された女性(早田美智子さん)は、毎日ぼんやり過ごすようになり、何事にも無関心になっていきます。
レビー小体型認知症の特徴である幻覚が見えたり、手足のこわばりがでたり、認知機能の低下が進み、78歳になるころには寝たきりになってしまいます。
トイレや食事も自分ではできません。
そのころになっても、息子(雅美さん)は諦めずに美智子さんを車いすに乗せて外に連れ出すことを辞めませんでした。
これが後の奇跡を手繰り寄せることになります。
無反応の母親がリズムを刻んだ瞬間
ある日、雅美さんがいつものように助手席に美智子さんを乗せてクルマを走らせていると、美智子さんが指でトントンとリズムをとっている事に気づきます。
雅美さんは何をしても無反応だった美智子さんのリズムを取る姿に驚き、何にリズムを取っているのかと耳を澄ますと、有名なタンゴのリズムであることがわかります。
雅美さんは、そういえは母親は昔、「よく、ボーイフレンドと社交ダンスをしたものよ」と自慢していたことを思い出します。
そして、社交ダンス教室に美智子さんを連れて行けば、何か変わるかもしれない。反応をしてくれるのではと考え、社交ダンス教室の門を叩きます。
社交ダンス教室が奇跡を起こす
雅美さんは、美智子さんを連れて社交ダンス教室に通い始めました。
すると、驚きの変化が美智子さんに起こり始めます。
通い始めて2週間後、今までオシャレなんて無関心であった母親が、「髪を黒く染めたい」と言うのです。
1か月後には、自ら選んだ赤い服に身を包み、立ち上がって、先生にリードされながらステップを踏むまでに回復しました。そして、「もう一度踊ろうかしら」などと声も発するようになったのです。
そして、ハワイ旅行へ
奇跡はまだ続きがありました。
1年前、寝たきりだった美智子さんはハワイに降り立ちました。
ハワイ旅行に出かけられるまでに回復していたのです。
社交ダンスがなぜ奇跡を起こしたのか
国立長寿医療研究センターの遠藤英俊医師によると、社交ダンスは異性とのコミュニケーションをとることから、心のときめきを含め、脳への良い刺激があるといいます。頭と体を同時に使うということも回復の要因であったようです。
美智子さんの場合、昔社交ダンスが好きだったという良い思い出があったことが、ここまでの奇跡を生んだのではないかと説明していました。
アメリカの調査でも、社交ダンスは認知症のリスクを下げることが報告されています。
認知症になるリスクを下げる余暇ベスト3
番組では、認知症になるリスクを下げてくれる余暇活動ベスト3を発表していました。
1位は社交ダンスで、76%減
2位はボードゲームで、74%減
3位は楽器の演奏で、69%減
どれも約70%減というは驚くべき数字ではないかと思います。
この中で、自分がやりたいと思うものがあれば、趣味として始めてみてはいかがでしょうか。